2023年12月13日
確定拠出年金(その2)
以前、このブログで確定拠出年金のことに触れました。今後シリーズとして思いつくままに書いてみようと思っています。
前回の投稿のURLは以下のとおりです。
http://schole.chesuto.jp/e1704072.html
企業は一般的には、より良い人材(人財?)を求めます。何がより良いか企業が決めることなのでなんとも言えません。特殊な才能や創造性を求められることもあれば、素直に言うことを聞き、企業文化(もしくは因習?)に染めやすいということを求める企業もあるかと想像します。もちろん、職業に貴賤はないと思いますが、職種によっては人材に一定のスペック(例えば語学力とか専門知識、保有資格など)を求めるケースがあります。しかしながら、そういった基準を求めずに雇用の門戸を広げ、研修や職場での実地教育によって必要な人材を育てるという方法もあるかと思います。
所属する会社や職業、仕事に対する価値観、モーチベーションは様々です。目先の給料なのか、生涯所得なのか、はたまた意見が通りやすい風通しのいい会社なのか、とにかく安定しているかなどが挙げられるでしょう。それに対し企業は、誰でもいいから雇うというケースは別にして、優秀な人材や一定のスペックのある人材を求める場合、可能な限り、給与水準や企業文化(因習?しつこい?)、福利厚生などを高め、アピールしようとします。
いつものように話がそれたので元に戻しますが、大企業の場合、福利厚生(もしくは給与の後払い)として、厚生年金のほかにプラスアルファ部分として企業年金というものを設定・運用していることが多いです。社員教育などにそれなりに投資をして、長く在籍してもらうことを意図しているのかと想像する点で、退職金制度(これも要は給料の後払いかな?)と似ているのかと思います。最近では大企業でも、人材の流動性を勘案して退職金制度を廃止して、その分を毎月の給与に上乗せするところもありますね。そして前者の企業年金を確定拠出年金にする企業が割と増えてきました。これは、政府の同制度の整備が進んできたこともありますが、確定給付年金の場合、運用が芳しくなかったりすると損失部分がPL(損益計算書)の科目に出て含み損のような形で決算に影響与えるからではないかと思われるのと、市場環境が複雑かつ不安定となったことで、昔ながらの運用では成果を出しにくいため、ずいぶん前から流行っている(実際は人類が生まれてからそれが現実ですが)自己責任という言葉も追い風になったのかなとも思います。
以前、投資顧問業務に携わっていた時に、とあるグローバル大企業(製造業)の企業年金(私が担当したのはほんの一部分で数百億円くらい)が顧客でした。企業側の担当者は、元長期信用銀行出身者のいわゆるエリートさんでしたが、よく勉強をされており、説明が専門用語でも通じたので、とても助かった代わりに鋭い質問があって説明(言い訳?)に困ったこともありました。まあ、それなりの企業だと必要な部署に必要な人材を揃えているんだなあということを感じました。中規模の厚生年金だと、理事さんが現役を引退したお役人の老紳士だったりして、内容を理解していただくのに苦労した記憶があります。
また、在籍した会社が、確定拠出年金向けの投資信託を運用していたこともあり、同制度を採用している企業向けに投資教育やファンドの選定をしているコンサルタントと定期面談していたこともありますが、まだまだ新しい制度で、人材が不足しているらしく、特殊な運用手法を利用しているファンドだとなかなか理解していただけず、「自分が理解できていないものを、なぜ選んで、しかも顧客に勧めるのだろうか?」と疑問に思ったものです。
前置きのつもりが、書いているうちに長くなったので、今日のところはこれまでにします。次回はもっと、メリットやデメリットなど具体的なことを書こうかと考えています。特に私が現在運用している個人型(いわゆるiDeCo)が給与所得者以外にはご参考になるかと…
落ちではありませんが…「これが現実だ!」 (シャー・アズナブル風に)
Posted by 木原 昌彦 at 09:44│Comments(0)
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