2023年01月19日

分配金って?分けて配るお金…

分配金


以前、知人のご高齢のかたから電話があり、投資信託を勧められたのでどうしようか迷っていると相談を受けました。そのかたは会社経営に携わっていますが、投資には興味はそれほどなかったものの、メインバンクの紹介だったために無碍に断れず、話だけは聞かれたとのことでした。

商品名はあえて伏せますが、どんなセールストークだったのか聞いてみましたら、「アベノミクスで儲かります。分配金が毎月●●円でます」とのことでした。現場にいた訳でもないので、実際のところはわかりませんが、アベノミクスがどのようなもので、同政策の失敗を予想するのか成功を予想するのかは別にして、結果として何が起こるのかというシナリオを元に、商品性に絡めて説明がされたのか確認してみたら、そういう話はなかったとのことでした。もっとも、説明されても頭に入ってこなかっただけかもしれません。まあ、その商品性からは、結論として円安にベットするということが推測されましたが、それほどハイリスク商品でもなく、そのかたの立場としてメインバンクとの付き合いもあるでしょうから、損をしても構わない金額程度で購入するというのもあるものの、ご自分が理解できないものには、手をださないほうが良いかと思いますよと話しました。もっとも金商法上は、この金融マン、もしくはその販売会社の商品の売り方には問題はあると感じました。

ところで、セールストークにあった分配金とは、本来、投資信託の収益から受益者に分配されるものです。昔は、半年とか年に一度、運用成果が上がった時にされていました。銀行での窓口販売が解禁され、毎月分配のパイオニアとして有名な国際投信投資顧問のグローバル・ソブリンがメガ・ファンドとなって久しいですが、販売当初は業界内では、こんな馬鹿げた商品なんてと酷評されたものの、結果的に販売実績が上がったので、運用会社各社が一斉に毎月分配商品を作り、現在に至ります。運用(運を用いると書きます BY山崎元先生)は必ずしも成功するとは限りません。月間でマイナスの成果だった時も分配するというのは、単に元本を切り崩しているだけです。

私は毎月分配金については、どちらかというと朝三暮四的な感があるだけでなく、運用上は不合理な存在であると考えています。投資先進国(?)の欧米の運用業界関係者からも、日本はなんで分配しないといけないのか質問されたことはありますが、単に課税対象をつくりたいという大人の事情かもしれませんし、それを求める人(顧客側なのか販売側なのか?)がいるためかもしれません。結果として、その制度や商品は存在している訳です。

分配とは「分けて配る」と書くので、日本語として間違っている訳ではありませんが、誤解を招く表現ではあるので「毎月強制解約金」と表現すべきと考えており、以前山口県のブログサイトで書いたこともありました。一時期、毎月の分配金を基準価額で割って、分配金利回りという不届きなセールストークも存在していました。運用が失敗して基準価額が下がれば、利回りは計算上高まります。また、個別元本方式で、受益者が購入した時の基準価額から計算して、課税対象にするかどうかが分かれており、課税対象部分は「普通分配金」、元本を切り崩しているだけの部分は「特別分配金」と表現されていましたが、金融庁も現場で生じるトラブルを憂慮したのか、現在は後者は「元本払戻金」という名称となっています。でも、販売の現場はなかなか変わらないのかもしれません。


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Posted by 木原 昌彦 at 21:18│Comments(0)資産運用
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