2023年01月02日

シャープレシオ?シャウプ勧告?

シャープな画像


明けましておめでとうございます。本日は2023年初のオフです。自宅でお酒を飲んでのんびりしています。
さて前回と同じく資産運用関連投稿の加筆・修正でございます。

私は一時期、投資信託の運用会社でファンドの評価の仕事をしていたことがあります。投資信託の評価では、様々な指標が使われます。個人では、単純に●%上昇したとか、どれだけ儲かったということで良し悪しを判断される方もいるかもしれません。また、基準価額の水準がいくらだということで判断されるかたもいるかもしれません。しかし、リスクのある金融商品を評価するには、リターンのみでなく、(結果的な?)リスクも勘案しないと公平ではありません。

資産運用業界では、運用評価の一手段として「リスク調整後収益率(もしくはリターン)」という指標がいくつかあり、その中でも、初歩的で割と流通しているのがタイトルの「シャープレシオ」です。たしか考案したかたのお名前が語源だったような気がします。余談ですが、戦後に米国からシャウプさんというかた率いる使節団が来日して日本の税制について調査してましたね。私は昨年の冬から減税推進活動の一環として日本の税制の勉強会に参加していて現在テキストとして以下の内容を読んでいます。
http://www.rsl.waikei.jp/shoup/shoupr01.html

話をシャープレシオに戻しますが、計算としては超過収益率(収益率から安全資産の収益率を差し引きますが、現在の日本のような超低金利でれあば、実務上無視して、単純に収益率だけでもいいかもしれません)の平均値をリスクである収益率の標準偏差で除します。

同じリターンだとしても、リスクが高い場合には、この指標というか比率は、数値が低くなります。このあたりの説明は、「シャープレシオ」という言葉でクグれば出てきます。でも、なぜ自分のブログでわざわざ書いているかいうと、誤った使われ方を、見たり聞いたりして気になっていたからです。

結論から言うと、絶対的な数値はそれほど意味がないということです。たとえば「このファンドはシャープレシオが●●だから成績がいい」などとは言えません。しかし、単純に数値だけが独り歩きして説明されている場面もたまに見受けられます。

リスクもリターンもサンプルの取り方によって水準がブレますので、あくまで同じ期間での他者との比較のみに参考とできると考えます。

余談ですが、リターンがマイナスの場合にはこのシャープレシオは意味を成しません。リスクは正の数値なので、同じ(マイナス)リターンの場合、リスクが高いほうが、シャープレシオのマイナス数値が小さくなります。

一般に、比率といった数値は、様々な状況を大雑把に示していることがあり、それだけで判断するのは無理がありますので、シャープレシオよりは、リスクとリターンの散布図で見たほうがいいかもしれません。

投資信託の評価サイトであるモーニングスターは、類似したファンドのランキング評価でシャープレシオを主として使っています。シャープレシオだけですべてを語るのはもちろん乱暴ですが、ご自分がお持ちの投資信託が、類似したファンドに比べてどうなのか、ご参考までにご覧になってはいかがでしょうか?

http://www.morningstar.co.jp/fund/


上杉鷹山の経営学

上杉鷹山の経営学
著者:童門冬二
価格:463円(税込、送料込)
楽天ブックスで詳細を見る

同じカテゴリー(資産運用)の記事画像
リスクは危険ではなく…
ヘッジファンドのすすめ?
実体のない煙
スタイリッシュ?
外貨建資産を組み入れた投信の時価評価
外貨建て資産でヘッジ?
同じカテゴリー(資産運用)の記事
 リスクは危険ではなく… (2024-04-05 21:52)
 ヘッジファンドのすすめ? (2024-04-01 20:42)
 実体のない煙 (2024-03-14 21:16)
 スタイリッシュ? (2024-01-08 09:00)
 外貨建資産を組み入れた投信の時価評価 (2024-01-05 23:28)
 外貨建て資産でヘッジ? (2024-01-02 09:25)

Posted by 木原 昌彦 at 09:36│Comments(0)資産運用
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
シャープレシオ?シャウプ勧告?
    コメント(0)