2016年04月22日
絵に書いた餅より食べれる餅?
運用会社で経済分析の仕事をしていた20代の頃、毎月日米のマクロ経済の予想のレポートを書いていました。様々な経済指標を時系列でチェックし、行われている経済政策を絡めて経済が上向くか下向くかなどを予測していました。当時は結果的に、日本経済に対しては絶望感を持ち続けてました。客観的に見て良くなる要素がほとんど見当たらず、政府の経済政策も目先のことばかりに追われており、その効果も一過性のものが多く、すぐにまた状況は悪くなっていきました。
もう亡くなられましたが、当時一人だけ、この人が総理になれば日本は経済状態がよくなるのではと期待をかけていた人物がいたのですが、総裁選の前にご病気になり、亡くなられて残念な思いをしたことがあります。やはりいい人(?)は早死にしますな。もしかしたら実は暗殺されたのかもしれませんが。
私がずっと日本経済に対して弱気のレポートを書いていたので、飲みの席で上司(九州大学法学部卒の元証券マン)にこんなことを言われました。
上司 「あのな。お前はなんでそんなに弱気なんだ?」
私 「理由はレポートに書いてありますけど…読まれてませんか?」
上司 「小難しいことはどうでもいいんだよ。とにかく、もっとみんなが元気になるようなレポートを書けよ」
私 「うーん…ここは運用会社であって政府の経済政策を担当しているわけではないので、仮に私がこんな経済政策をすれば良くなると思っても、実行できないのであれば意味がないと思いますが」
上司 「とにかく、日本経済はよくなるんだよ」
私 「そう願いたいですが、その理由はなんですか?」
上司 「それは…偉い人がいろいろ考えてくれて、良くなるんだよ。バブルが崩壊して俺はもう10年以上も我慢している。もうそろそろいいだろ!」
私 「(うーん…全く意味をなしていないような)そうなるといいですねえ。」
いいアイデアがあったとしても、実行できなければ絵に書いた餅ですね。
たまに、どうあるべきかという議論で熱くなることもありますが、最近はなるべく避けようと思っています。
まあ、実現性の高いことを考えるのに時間を使う、もしくは、どうなるべきかではなく、どうなるのかということを冷静に予測し、個人的な対処の方法を考えることに時間を使いたいと考えています。
冷めてめているのかな?やはり、癒し系ではなくて冷やし系!
Posted by 木原 昌彦 at 05:18│Comments(0)