2016年04月13日

ゴキブリは長生き…ああ種として…

小学校から大学までで、影響を受けた先生は何人かいます。
私は経済学部出身ですが、大学3年生の時に受けた国際金融論という授業を担当されていたかた(当時たしか助教受)が強烈なひとでした。 そのかたは東京大学出身で相当優秀なかただったらしく、当時新進気鋭の学者さんでもあったようです。

最初の授業の冒頭でこんなことをおっしゃっていました。「私から見れば、君たちの頭脳はゴキブリとたいして変わらんと思っている。しかし、私は自分の授業のレベルを君たちに合わせようなどとは思わない。おそらく内容についてこれない者もいるだろう。しかし、この科目は必修なので落とすと卒業はできないから、救済措置として夏休みにレポートを課すので、テストに自信がない者はレポートをしっかりやるように」…教室内でどよめきが起こりました。

その時「すごいな!このひと!何らかの裏付けがあって、相当自分に自信があるに違いない」と思いました。そして授業はたしかに難しく、私はテストには自信なかったので夏休みのレポートを一応真面目にやりました。

夏休みが終わって、後期最初の授業の時、提出されたレポートを既に全部読まれたらしく、若干数名の学生のものはなかなかいいいぞと褒められ、ほとんどは先生にこき下ろされました。ちなみに私はこきおろされたほうです。そして最後にとある4年生の女子学生が名前を呼ばれました。「4年〇組、〇〇〇〇!たて!お前は期日遅れのレポートを私の上役の〇〇教授を通して提出しようとしたな!〇〇教授のゼミ生らしいが、私はお前のような卑怯な人間は大嫌いだ。就職は決まっているらしいが、お前のような人間を社会に出すべきではないと思うので、単位はやらない。来年の春にはお前は卒業できないぞ。期日遅れでも直接私に持って来ればよかったのにな」 その女子学生はその場で泣き出しました。正直、「おおー!ここまでやるか!なかなかできないぞ!本当にすごい人だ」と当時は感銘を受けました。

そして、先生の部屋を訪ね、国際金融論とは関係のない、1年生のころから疑問に思っていたマクロ経済学の消費関数の形状で納得できなかったことを質問したら、「君の疑問は、気持ちはわからんでもないが、抜け落ちている論点があるよ。」と即座に説明していただき、疑問が溶け、「やはりこのひとはすごいなあ」と思いました。実は、同じ内容を1年生の時に担当教授に質問したら、「質問の意味がわからない」と言われました。2年生の時には、一橋の大学院に入れなかったので東大の大学院に行ったサークルの先輩に聞いても「マクロ経済はそんな細かいこと気にしないんだぞ、お前ごときがケインズの批判をするのか!」と言われていたもので。

はい!特に落ちはございませんが、ゴキブリ並でもかまいません…だって人類が滅亡するとしても、おそらくゴキブリは生き延びるのでは…まあ個体ではなく種として…人権とか倫理といった、取り立てて真理でもないこと(要するに気分の問題?)をあまりにも重要視するとより深刻な問題が発生するのではという気もします。

その先生のお名前を忘れてしまいましたが、ご健在であることを祈っています。


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Posted by 木原 昌彦 at 20:32│Comments(2)
この記事へのコメント
何度も読みたくなる(笑)なんですかこのジワる感じ(笑)
Posted by 爽 at 2019年11月18日 14:09
コメントありがとうございます。癒し系ならぬ冷やし系ですから~
Posted by 木原 昌彦木原 昌彦 at 2019年11月18日 14:46
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ゴキブリは長生き…ああ種として…
    コメント(2)