選挙権は何歳から?

木原 昌彦

2016年04月23日 02:28



歴史が好きです。数年前から歴女(歴史好きの女性)というかたがたがいるようですが、失礼ながら、正直ファッションの一つのようなもので表面的かつ教科書的な感じがしています。アイドルの代用品として坂本龍馬や沖田総司を使っているだけのような気もします。

動物と人間の違いで、人間には歴史があると言われることがあります。文字というか文献が残っている場合が歴史、それ以前は伝説と言われます。しかし、中学や高校で習った教科書の歴史にはあまり興味が持てませんでした。高校生の時に塩野七生女史の「ローマ人の物語」というシリーズものが開始され、イタリアの織田信長(?)である、チェーザレ・ボルジアの生涯を描いた、「チェーザレ・ボルジア あるいは優雅なる冷酷」という本で一気に、同女史の本にはまりました。自分が読んだ小説や専門書は裏歴史的なものであったので、歴史のテストにはほとんど役立たずではありました。はい!覚えたり、暗記するのは苦手な分野です。

私は経験則というのをあまり信用していません。一人の人間が生きているのはたかだか数十年であるため、そんな短い期間で、経験とやらから普遍的なことを発見するのはかなり困難であると考えています。プロイセンの鉄血宰相ビスマルクの言によると「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」というのがあります。自分の経験だけではなく、他人の経験、つまり歴史から学ぶことは多いのかとも思います。経験則とは、限定された期間の限定された環境でのみ通用するのではないでしょうか?まあでも、歴史が繰り返されるのは人間が全体として歴史から学んでいないからかもしれません。

話は変わりますが、このところ、憲法改正とか騒がれています。私は民主制とか民主政というものをあまり信用していません。人間にはまだまだ高級な概念ではないかとも思っています。常識という言葉と同様に、大多数のひとが考えている(単に感じている?)のが、必ずしも正しいとは思えないからです。どちらかというと君主制のほうが君主やブレーンが有能であれば、スピード感のある対応が可能かと思っています。もっとも、世襲であれば、親が有能でも子供が有能とは限りませんので、古代中国であったらしい 禅譲が理想でしょう。民主制とか共和制であっても、民主政が衆愚政となったり、ファシズムに発展することは過去の歴史から有り得ますので、民主的ということが必ずしも万能とは思えません。

しかし、民主制であってもそれなりの手続きがあればそれなりに機能はするとも思っています。それは選挙の有権者がそれなりに見識を持っているという前提が必要です。選挙権は何歳から付与するべきかというナンセンスな議論もありますが、年齢というのは名目的な数値にしか過ぎす、名目に対する実質が重要です。GDPなどもそうですね。

持論ですが、選挙権を付与する前提で、人類の歴史とか政治思想の種類や発生過程、メリット、デメリットなどに関する試験を設け、合格点は9割くらいにしたらいいのではと思っています。もちろん受験資格は設定しないということにして誰でも受けられるのであれば一定の平等感は確保できるかと思います。もちろん平等なんていうのは幻想であると思いますが。

テキストとしてお勧めしたいのは、田中芳樹原作の「銀河英雄伝説」です。ファンタジー小説かとも思われますが、よく練られており、政治思想についての勉強もできるかと思いますし、エンターテイメントとしても秀作です。歴史の小難しい本を読むより効果的かと考えます。新書版で本編10巻、外伝4巻あります。原作を忠実に再現したアニメもあります。とりあえず、アニメのDVDのリンクを貼っておきます。

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もっとも、なぜかYoutubeでも観れます…
https://www.youtube.com/watch?v=Vqnqwt65BF8

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