厚黒学?

木原 昌彦

2016年04月10日 02:55


最近、面の皮が厚くなり、まるで城壁のようです。
まだ若輩者ではあるものの、ここ数年間で様々なことが身の回りに起こって(起こして?)、一時期自殺を考えたこともありました。通常の人間の脳は不愉快なことを忘れるようにできていると聞いたことがあります。それにストレスにも耐性がつくようになるそうです。それで少々のことでは驚かなくなりました。以前は腹が立つようなことでも、最近は瑣末なことだと笑って(嗤って?)流せるようになりました。まあ、鈍感力もしくは老人力のようなものかもしれません。

30代前半のころ、フラメンコギターの師匠の自宅近くでレッスン帰りに寄っていた古本屋で面白い本を見つけました。タイトルは「厚黒学」で副題は「厚かましくかつ腹黒く生きよ」というものです。著者は近代中国の思想家のようです。ネタバレを避けるためいつものように詳細は避けますが、中国の歴史上の人物の行動パターンやその成果を分析したもので、結論としては厚かましく腹黒くなければ成功はしないということでした。まあ、中国版ニコロ・マキャッベッリのようでした。登場人物は戦国時代や三国時代が中心でした。

善人が成功するのは不可能ではないものの、様々な価値観や思想が入り混じった世の中では、かなり困難ではないかとも思われます。善人は利用されたり、騙されたり、早死するのが一般的なようです。

在籍した会社で公憤というか不愉快な思いをした時に、ちょっと体制をぶち壊してやろうと思い、後輩とこんなやりとりをしたことがあります。

私  「実は俺は前世はアナキン・スカイウォーカーだったんだよ。だからこれから暗黒面に突入することにする」
後輩 「暗黒面に突入するのは、ジェダイとして活躍してからでも遅くないのではないですか?」
私  「うーん(返す言葉がない)…すまん!俺が悪かった!」

もっとも、不愉快な思いをした時、どのような行動に出るかはひとそれぞれですね。私は先輩や同僚、後輩に比較的恵まれたほうだと思っています。

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最後に、作家の塩野七生女史はエッセイの中でこんな内容のことをおっしゃってました「悪人でも有能な為政者は認めるものの、善人でも無能な為政者には肌に泡が立つ」。残念ながら(?)、人間は平等にはできていません。世の中、公平でもありませんが、それが自然なのでしょう。正しいことよりも生き延びることのほうが重要かもしれません。

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