しあわせ…増す?
鹿児島に来て約2年4カ月が過ぎましたが、今でも初対面の鹿児島のかたと話すと私の話し方から鹿児島の人間ではないことはすぐ判明するようです。イントネーションなのかどうかはよくわかりません。
鹿児島に来たばかりのころ、せっかくなので鹿児島弁をマスターしようとMBCラジオというローカルのラジオ局の番組などを聞いて勉強しました。そして「おやっとさあ」や「あいがとさげもす」など覚えた表現を飲み屋さんなどで使ってみたりしましたが、知り合ったかたから「そんなとってつけたような鹿児島弁なんてほとんど日常的には使われてないし、逆に鹿児島の人間ではないのに、なんちゃって鹿児島弁を使うと嫌われるのでやめたほうがいいよ」とアドバイスされたので、以後自粛しました。そういえば、方言というのはよそ者が来てもすぐにわかるようにとの目的も昔はあったようで、鹿児島弁は戦時中暗号にも使われていたと聞いています。
以前、仕事で南九州市の頴娃(エイ)町というところに行ったことがあります。現地のかたと話しをしようとしたら、相手の言ってることがまるで外国語のように聞こえ、ほとんど理解できませんでした。同席した鹿児島市内のかたもかろうじてわかるくらいでした。鹿児島ではエイ語と言っているようです。
最近は自分から鹿児島弁を無理に使おうとは思わなくなりましたが、そうですという意味の「です!」とか「ですです!」は多少はつられて言ってしまうことあります。しかし、いまだに判断に迷う表現としては語尾につける「~け?」というのがあります。英語のwhatにあたるスペイン語は「Qué」というのがあり、なんだか似てるなとも思いましたが、通常の疑問の意味の「ですか?」と取っていいのか「ですよね?」という付加疑問文とも話の流れから取れそうなこともあるので、わからない時は「それは疑問を投げかけているのか同意を求めているのかどちらですか?」と確認します。
ところで私は山口県出身ですが、20年以上東京に住んでいたため、地元の方言はほとんど話せなくなりました。しかし鹿児島にも広めたい山口県の一部で使われる表現があります。
それは主に「ありがとうございます」という意味に使用される「しあわせます」です。しあわせ+ますに分割すると、単に幸せに丁寧語の「ます」を付加したものなのか、それとも幸せが増すということなのかはわかりませんが、なかなかいい言葉だと思っているので機会があるごとに鹿児島のひとに伝えています。もっとも迷惑ですという意味で「しわよせます」という表現も成り立つかもしれません。
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